夏休みの始まりは

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「――であるからして、君たちには有意義な――」 長ったらしい校長の話が続く。 正直に言って、そんな下らない話に誰も耳を傾けてはいないだろう。 特に自分にとって為になる話でもないのだから。 こんな中途半端な年寄りの話を聞く位なら、明らかに年上で経験豊かなリオンに、話を聞いた方がまだましだ。 なお、リオンことギルド最強の男、崩天のルシフェルは現在ファイの隣で爆睡している。 五百歳を既に超えている彼にとっては、あの程度の若造の言う言葉など、聞くに値しないのだろう。 それよりも、冷房も入っていないこんなサウナのような講堂の中で、よくもまぁ眠れるものだ。 そう疑問に思い、彼の体に触れてみる。 (……まさかこれは……) 彼の体には水属性の魔法が掛けられていたのだ。 それが冷却効果をもたらし、涼しくなっているのだ。 憎らしい。正直、この魔法はかなり精密に、魔力をコントロールする事が出来なければ、出来ない芸当だ。 当然、学生レベルで出来るような代物では無い。
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