5769人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
「――であるからして、君たちには有意義な――」
長ったらしい校長の話が続く。
正直に言って、そんな下らない話に誰も耳を傾けてはいないだろう。
特に自分にとって為になる話でもないのだから。
こんな中途半端な年寄りの話を聞く位なら、明らかに年上で経験豊かなリオンに、話を聞いた方がまだましだ。
なお、リオンことギルド最強の男、崩天のルシフェルは現在ファイの隣で爆睡している。
五百歳を既に超えている彼にとっては、あの程度の若造の言う言葉など、聞くに値しないのだろう。
それよりも、冷房も入っていないこんなサウナのような講堂の中で、よくもまぁ眠れるものだ。
そう疑問に思い、彼の体に触れてみる。
(……まさかこれは……)
彼の体には水属性の魔法が掛けられていたのだ。
それが冷却効果をもたらし、涼しくなっているのだ。
憎らしい。正直、この魔法はかなり精密に、魔力をコントロールする事が出来なければ、出来ない芸当だ。
当然、学生レベルで出来るような代物では無い。
最初のコメントを投稿しよう!