彼は龍狼鬼ーリュウロウキー

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彼は龍狼鬼ーリュウロウキー

「ハァ…ハァ……だ、誰か…」 塾帰りの真っ暗な夜道ー 少し茶色が混ざった黒い長髪をした女の子……神崎心夏は、何かから逃げていた。 最初はストーカーだと思っていた…しかし、違った。 「フシュー…フシュー」 人間とは考えづらい呼吸の音、地面を引きずって進む不気味な音… ズリュズリュ… 心夏の頭の中には恐ろしい化け物の姿しか浮かばない。 「誰か…あっ!」 心夏は、足が絡まり大きく転んだ…急いで立ち上がったが地面には月明かりに照らされる影。 「久しぶり…人間……食う」 心夏の後ろからは、低く寒い声がする。 (も、もうダメ) 心夏は目をつぶり、覚悟を決めた。
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