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「…ん…ぐっ、ふ…ぅ、はっ…ん…かは…っ!」
息が、吐けない。
やだ、やめて、
酸素が欲しくて、息を吸うことしかできなくなってくる。
苦し、い
ヒョン、苦しいの
苦、し…い…
「かは…っ、ひ…っ、ぅ…ぐ…、かひ…っ、う゛…っ」
「スンリ…?」
「ひぐ…ぅ、かひ…っ…は、が…っ、かは…っ!」
「…っ、スンリ!!」
苦しい、苦しいよ。
頭が真っ白になった。
ヒョンの声がぼんやりとしか聞こえない。ヒョン…ヒョン…!!
「スンリ…少しだけ我慢しててくれよ…!」
いきなりヒョンに鼻を摘まれて、唇を塞がれ、呼気が送り込まれた。
「ふぐ…っ、ぷはぁ…!んぐ…ぅ…、はぁ…っ…」
「落ち着いて…ゆっくり…息を吐くことに集中して…」
酸素だらけの肺に二酸化炭素が送り込まれ、ヒョンの体温に包まれた僕は必死にヒョンにしがみついた。
「は…っ、はぁ…ぅ…っ、は、はぁ…っ!…んっ…」
「スンリ…」
また優しい、でも怯えたような声でヒョンが呟く。
ヒョンとしたキスは確かに凄く苦しかった。でも、その中に確かにヒョンの僕への狂おしいほどの愛を感じたんだ。
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