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そのまま千佳子は早口で続けた。
「裕加も好きだったんでしょ?ごめんね…知っててこんなコト頼んでて…」
そういい終わると千佳子は走って図書館をでていった。
千佳子は…
知っていた…?
裕加は意味がわからず、千佳子を追いかけていた。
「千佳!!待てよ!!」
千佳子の腕を掴み、裕加の方に向かせた。
「ごめん!」
千佳子は泣きながら裕加に下をむいたまま何度も謝り続けた。
「泣きたいのはこっちよ…」
独り言のように呟くと千佳子の腕を離し、しゃがんだ。
裕加は千佳子を見上げ、貯まっていたものを吐き出すように怒鳴った。
「知ってるなら知ってるっていってよ!」
恥ずかしさなのか悔しさなのかよくわからないもので満たされた裕加
「ごめんね…」
千佳子は裕加が優しさを利用していた。
自分の為に諦めると…
そう話すとまた鳴咽を飲んで泣き出した
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