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タクトの追放されたワケを聞いたリアは、悲しくなり俯いた。
溢れる涙が零れないように…。
「タクトが正しいか、彼らが正しいのか、そんなこと私たちには決められないけど…仲間を信じられないなんて、悲しすぎるっ…!
妖精界の人たちは、最後まで祈ってくれた。
祈りだけじゃ救われないこともあるけど、少なくても私は嬉しかった!
規律、禁忌、罪…何がいけないのでしょうか?
世界とは誰なの…?
誰がいけないと決めるのでしょう?
私たちが生きるこの世界には、まだ土の中に希望が埋まったままのようです…。」
「リア…」
「ごめんなさいっ、でも何だか悲しくて…」
タクトはリアを優しく抱きしめた。
「タクト…?」
「リアは本当に優しいな…。
君の、その蒼い瞳には君だけの世界が存在してるようだ。
吸い込まれそうな、不思議な深い海みたいな瞳だ」
タクトはリアと密着したまま、リアの透き通る瞳を見つめた。
必然とリアもタクトと目を合わせてしまう。
しかし、目が離せない。
「綺麗だ、リア」
「タ…ク、ト…?」
タクトはリアに顔を近づける。
少しでも動けば唇が触れそう、という表現をよくするがそこまでではないようだ。
しかし、タクトが少しでもリアの身長に合わせて屈めば、その表現が現実となる。
しかし、その雰囲気はひとりの少女によって、一気に崩れ去るのだった。
「あんたたち、通路のど真ん中で純愛ラブストーリー作ってんじゃないわよ」
「「っ!?//」」
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