天才的な片思い

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  最近、面白いやつに出会った。 ソイツは毎朝俺のところに来ては毎回同じ質問をしてくる。 「好きな人、誰なのよ?」 ほらな、噂をすれば…… 今日こそ聞き出してやるんだから、なんて騒いでいる。 「さぁな」 俺はガムを膨らましながら頬杖をついてそっぽを向く。 そうするとアイツは少しむくれて俺の視線に割り込んでくる。 それが可愛くて、いつしか俺はアイツのことが好きになっていた。 「ねぇ誰だれ?」 「うっせぇなー」 お前だよ。 その一言が言えなくて、 今日も適当に誤魔化した。  
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