Epilogue――カスやんの彼方に

28/84
前へ
/291ページ
次へ
・・・・・・? いまの声・・・・・・カスやん? しかし俺の側には、岡崎と取り巻きA・B、そして“奴隷”の女の子たちしかいない。 ――幻聴か? すると、 ――殴るべき人間は他にいるでしょ? てゆうか、アンタが岡崎の魔の手からサユリちゃん守んなくてどうするの!―― ――それは、もう一人の自分。 いまここにカスやんがいたら言うであろうことを、俺に伝えるための。 カスやんがなんで消えたのか。 そして、なんでフライパンだけ残していったのか。 今なら少し、解る気がする。 ――自分の愛する女性ぐらい、自分で守ってみなさいよ!!―― カスやんならきっと、そう言うはずだ。 サユリちゃんを――あの笑顔を守るために、俺がなすべきこと。 それは俺が“奴隷”たちにその身を差し出してしまうことではなく。 岡崎の被害者たる“奴隷”の女の子たちを振りほどいて逃げ出すことでもなく。 ――そう、俺にはまだここで、やるべきことがある。
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

453人が本棚に入れています
本棚に追加