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「をい岡崎!」
俺は岡崎を呼び止める。
「何ですか柳原サンしつこいですねぇ・・・・・・貴方のお相手なら福王クンと鴻野クンに任せてあるのですが」
と言って、再び歩みだそうとする。
「貴様、いったいどこへ行く!」
俺がなおも叫ぶと、岡崎はやれやれ、といった態で、
「どこって・・・・・・サユリ様のお見舞いですよ」
といってへらへら笑う。
な、何だと!
「やだなぁ、そんな怖い顔して・・・・・・後で貴方も連れて行きますよ」
・・・・・・どういうことだ?
すると岡崎は、にへら笑いから一転して、冷酷な笑みを浮かべてこう言い放つ。
「・・・・・・ただし、“物言わぬ屍”として、ですがね」
まさか・・・・・・
振り返ると、取り巻きAとBが、なにか長いものを持って、こちらに近づいてくる。
それは、金属バットと鉄パイプだった。
「ちぃっ! やっぱりこういう展開かよ!」
俺はフライパンを構え、取り巻きどもに相対する。
「仕方ないでしょう・・・・・・せっかくこっちが交渉で穏便にすまそうとしていたのに、それを反故にする愚か者が相手では、ね」
岡崎の、癇に障る声を、背に受けながら。
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