Epilogue――カスやんの彼方に

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「おい待て岡崎!」 俺の叫びを無視し、岡崎はさらにこの場を遠ざかる。 そして、一台のクルマに乗り込み、エンジンをかける。 ――!! あのクルマは――!? 岡崎の乗り込んだそのクルマ。 それは、日本最強、世界有数の呼び声高い、超弩級のスーパースポーツ。 ――横浜自動車のフラッグシップカー『GT-R』であった。 ――GT-R!? ってことは、奴の父親というのは、あの横浜自動車の!?―― 横浜自動車。 日本ではコロモ、DRMとともにTop3を形成する、世界でも有数の自動車会社。 近年では仏・ウノー社との業務提携により、脅威的な業績回復を果たしたことでも知られる。 まさか父親が自動車会社に勤めているのに、わざわざ他社のクルマに乗ることは考えにくい。 すると、金属バットを持った取り巻きAが、 「へへ、岡崎兄いの親父さんは、あの“世界の”横浜自動車の常務をしているんだぜ」 と自慢げに言いながら、手にしたバットを振り下ろす。 うわっと! 「それだけじゃねぇ・・・・・・今の横浜の社長はもうすぐ定年を迎える・・・・・・次期社長は岡崎兄いの親父さんだともっぱらの噂だぜ」   取り巻きBがさらに補足を加えながら、鉄パイプを一閃させる。 ・・・・・・!
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