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「よっこらしょっ」
「あっちぃな!!砂の上は」
「…で?」
「なんでこんな所にいる?」
「婆ちゃん先生はいないし…夏休み終わったろ?」
まご兄ィは陽の光で熱っされた
砂浜に座り
下から俺を覗きこむように質問してきた。
俺は今までの経緯を話し
残りの学生生活を日茂で過ごす事を話して聞かせた。
「へぇ~」
「おかしな奴だなお前…俺なら迷わず親に付いて行くぞ」
まご兄ィが海を見ながら
笑顔を浮かべる。
「ぃしょ」
「うわちゃ!!ホンマに熱いわ!こりゃ!!」
「……フゥ」
「…海外は別にえぇんねん…けどな……」
俺もまご兄ィの隣に腰を掛け
溜息混じりの言葉を溢す。
キィン…!
「…あれか?」
「ガキの頃、お前よく言ってたよな……」
フゥ~~…
「まだ…ダメ…か…?」
まご兄ィが煙草に火を付け
煙りを弛(タユ)ませながら感慨深げにそう呟いた。
「根に持ち過ぎやろか?」
聞く俺を見て
「んなこたぁーねぇよ!」
「お前が納得しなきゃどうしようもない事だろ!?」
「まあ、こっちに居る間になんかあったら俺に電話して来いよ」
「ケータイの番号教えてやるから」
煙草をくわえたまま携帯電話を操作するまご兄ィ。
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