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「あぁー!」
「孫ちゃんばっかり!!」
「ズルい~!!ズルい~ぞぉ!」
番号交換の
赤外線通信のやり取りをする
俺とまご兄ィの後ろから
例のけたたまし声が響いて来る。
「アッキも知りたいのに!!」
そこには女の子の一人が
頼まれた飲み物を胸に抱えて立っていた。
「なんだ!?なんだ!?アキ」
「男同士が番号交換をするのの何がズルいんだ?」
煩(ワズラ)わしそうに
後ろを振り向くまご兄ィ。
「イケメンの番号は絶対に押さえておく♪」
「これ!」
「乙女の常識なのよ~ん♪」
アキと呼ばれた
女の子が満面の笑みで自慢気に持論を披露する。
「ホォ…」
「どこに乙女がいる!?」
「乙女は酒ガブガブ煽(アオ)ってカラオケで、自分の歌う演歌で泣いたりしないだろうが!?」
「あ"ぁ!!」
「孫ちゃんヒドい~!!」
「アッキと孫ちゃんしか知らない秘密を初対面の子の前でフツー言う!?」
まるで夫婦漫才のような掛け合い
俺は呆気に取られていた。
俺のその表情に気付い
まご兄ィが
「あッ!!悪い…悪い」
「こいつ紹介してなかったな」
「秋菜だ。設楽秋菜」
「見ての通りのギャル娘」
まご兄ィがニカッと笑い
俺に女の子を紹介してくれた。
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