並木道

女は魔物？

「ほぃ♪」
投げ渡された缶ジュース…
たしかに生暖かい…

ﾌﾟｼｭ!!

まご兄ｨが飲み口を開け
ビールとおぼしき飲み物を
喉を鳴らして一気に飲み干す。
「ふぅ～」
「たしかにビールっぽい…けど､やっぱ本物にはかなわないな」
ちょっと不満そうだった。

「どした!?」
「お前も飲めよ｡幸信」

「幸クン♪美味しいよ」
まご兄ｨと秋菜さんが急かす様な目で俺に飲み物を勧める。

しかし
缶にはデカデカと[お酒は二十歳になってから]の文字が…。
「これ…？まぢビールやろ!?」
「アカンって!!」
「俺､酒飲んだこと無いし…」
初めての酒に俺は動揺しきり。

「本当にぃ～!?」
「何かあっても私が介抱して…」
「あ・げ・る♪」
「キャー♪アッキお姉さんキャラだ♪♪」
既にしたたか酔っている秋菜さんを見て
『…あんたにだけは絶対!!介抱されたない…』
俺は思った。

「大丈夫だよ」
「漢方薬と思えば飲めるって」
まご兄ｨのテキトーくさいフォロー。

『よっし!!』
俺は男らしく意を決して未知の飲み物を口にした。
ゴクゴク…

「残りの…どうした？」

「サキちゃんとこ行ったよ」

『おぃ!!見てねぇーし!!』
ツッコむ俺。