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「………ゲ~ェッ」
「にがぁ…」
飲んだ後に出るゲップが嫌な後味を口の中に残す。
「おッ♪」
「なんだ?なんだ?飲めるじゃないか幸信」
「初めてで、それだけ飲めりゃ上等だよ」
よくやった。と言わんばかりの笑顔のまご兄ィ。
パチパチッ
「すごい~すごぉ~い♪」
「幸クン。強いんじゃないの?」
秋菜さんも手を叩きながら驚きと喜びを表現する。
『飲める…けど…美味いとは思わん…に、苦い!!』
俺がビールの味を美味いと思うまで、まだ三ヶ月の間があった。
「しかし…遅いな」
苛(イラ)つくまご兄ィ。
「アッキ見て来ようか?」
秋菜さんもソワソワし始めた。
俺は?
というと…初めてのアルコールにやられて目の前の二人がクルクル回って見える。
「あッ♪来た、来たよ」
「シュリちゃん~♪トウカちゃん~♪サキぃ~♪」
「こっちぃ~こっちだよ」
秋菜さんが嬉しそうな声を上げる。
「フゥ~。やっと来たか」
「女は焦らすって言うか…待たせるの上手いからな~」
毎度の事なのだろう。
げんなりしなから
諦め顔のまご兄ィが小声でぼやく。
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