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―――うさぎだから。
彼に気持ちを伝える手段さえ持たない、ただのうさぎだから
でも、ね、知ってる?
うさぎって、寂しいと死んじゃうんだよ
楽しかったよ
……すごく幸せだったよ?
だからもう、泣かないで
彼女から見捨てられてても、私はもういないんだから
私の願いが届いたのか、ある日彼は泣くのをやめた
「もう、お前に心配かけてもいけないよな」
彼は私がいた飼育小屋がわりのケースに呟くと、何日かぶりに外にでた
―――そぉだよぉ。
私はずっと天国から見守っているから
だから絶対、幸せになってね
ほら、私の大好きな笑顔で笑って?
―――彼は朝の木漏れ日の中にそのうさぎの声を聞いた気がして、空に向かって微笑んだ
fine
→後記
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