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  「どっちがいい?どっちも痛みはねぇけど。俺個人の意見としてはぁこっちにしてほしいんだけど」 影は銃を散らつかせる。 「ナイフだと血がこびり付いて落とすのに一苦労でさあ」 ――…鉄、あと三分で来るよ。面倒くさいから銃にしちゃって 「(シロガネ)って本当にめんどくさがり屋だよなぁ。ま、そこがお前の魅力の一つなんだけどさ」 影は嬉しそうに微笑み、誰かに話し掛けている。 ――それはどうも 「…お前、一体何者だ…?さっきから一人言ばかり…」 ナイフで固定された影は恐怖で顔が引きつる。 「ははは!その顔、傑作!」 影は愉快そうに笑う。 「あんた等には銀の姿は見えねぇよ」 影はゆっくりと銃を構える。 「俺達は二人で一つ、一つで二人の最高で最強…そして最凶の殺し屋だ」 ――僕は情報屋だ 相手には聞こえない声で訂正する。 「バイバイ」 ――あと一分 聞こえない銃声が、闇の中で響く。 影はピクリとも動かなくなった。 もう一つの影は相手の手に刺さっているナイフを引き抜く。 「あぁ。これ、使えっかなぁ?」 ――ちゃんと手入れすれば使えるはずだよ 「めんどくさ。でも後で銀が、ご褒美くれるんだったらやってもい…」  ――あと三十秒。見回りが来るまでここにいる気? 声の主は影の言葉を遮る。 「ちぇっ、冷てぇなぁ」 影は肩を竦め、歩き出す。 「GOOD NIGHT. ETERNAL SLEEPY…」 影は動かなくなったもう一つの影に声を掛け、闇の中へ溶け込んだ。 _
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