1116人が本棚に入れています
本棚に追加
上品な紳士は柳本哲
大学教授
柳本は呆然と立ち尽くす。
何が君をそんなに悲しませた…?
こんな、道端でうずくませる程の何が
笑ったらきっと愛らしい顔なんだろうに…
アキラが走り去った暗い道を暫し見つめ、気が付いたようにため息をついて苦笑いした。
たった今、見かけただけの子にそこまで感情を揺さぶられるとは
帰ろう
停めた車に向かおうとクルリと体を反転させた
と、どこかで聞こえる
無機質な着信音
街灯の下、アキラが座っていた場所に携帯がポツンと落ちている。
柳本は、思わず拾い上げ携帯を開いた
どこか店の名前か
どうしたものか
悩む中、結構な時間鳴り止まない。
多分、あの子の物…
無くしたと知ったら困るだろうし
柳本は恐る恐る通話ボタンを押し携帯を耳にあてた。
最初のコメントを投稿しよう!