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――探偵。
その単語を耳にして、まず思い浮かべるのはなんだろう。きっと、多くの人は見た目は子供、頭脳は大人、みたいな高校も出てないヤツのあの話だと思う。
はっ。チャンチャラおかしいことこの上ない。俺から言わせてもらえば、探偵とはど貧乏である。
探偵を生業(なりわい)としているこの俺が言うのだから、間違いない。どっかの富豪からパーティの招待状なんか待っていても来やしない。
いったいなんなんだ、あのマンガ。うらやましすぎるぞ、おい。
ネットに俺の貧しさを書き込み、どっかのマダムが俺に同情してご飯をごちそうしてくれたり服を買ってくれたり毎月資金援助してくれたりしないかな、なんて思ったものだ。
その結果は……今もなお続く極貧生活がすべてを物語っている。
俺の隣には、相も変わらず仏頂面をした幼馴染しかいないし、依頼が次と次と舞い込んでも来ない生活だ。自分から押しかけて無理やり依頼させるしかないのだ。
…………。今日もパチンコですっちまっ……こほん。『銀行』に全額貯金しちまった。三円でどうやって生活しろってんだ、バカヤロー。
――さて、モノローグはこれくらいにして、そろそろ本題に入ろう。
これは、俺と、有能なくせに詰めが甘い秘書(兼幼馴染)の物語である。
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