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「そうか」と、マスターはふうと息を吐き、「おまえさんがそうしたいなら、そうするがいいさ。後で悔やむことになっても、わっしは知らん」
何を言ってるんだろう、このクマ親父は。後悔しないために、探偵してるのに。
「だが、あのお譲ちゃんを悲しませるのは、わっしとしてもちぃと心苦しい」
「?」首をかしげる。
「わっしも、あやつにはムカついているのさ。今度から、無償であやつの情報を集め、逐一おまえさんに報告さてもらうよ」
つまり、マスターが手伝ってくれること?
「そうだ。じゃがな、今のおまえさんではあやつには歯が立たん。あれは化け物じゃ。強くならねばならぬ。わっしよりも、な」
「……わかりました、ありがとうございます」
ここの代金は月末一括払い。俺はクマに頭を下げ、この場を後にした。
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