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『前略―、お元気ですか?お久しぶりです。今日は久々に予約もなく、ゆったりのんびりしています。』
観光シーズンも過ぎ、夏服から冬服へ衣替えも終わり月日が立ち、空気もそこはかとなく冷たくなってきた頃。
灯里の予約数も落ち着き、灯里は2階のベランダで椅子に腰掛け、パソコンをカタカタと打ち込んでいた。
灯里のパソコンにはたくさんのメールが届く。主にファンレターや、観光案内のお礼など。
灯里は送られてきたメールに一通一通丁寧に返信している。今やメールが主なマンホームでも手紙を書き送るファンも。灯里はその手紙もきちんとメールではなく、手紙で返している。この灯里の行動はファンからかなりの支持を得ていた。
『皆さんのメールやお手紙でいつも元気を頂いてます。これからもよろしくおねがいしますね。それではまた近いうちにメールしますね! 水無灯里』
今日は太陽が照って冬間近とは思えないようなぽかぽか陽気。灯里は気持よく、うつらうつら。
すると下から電話のある音が聞こえた。
「はーい!すぐ行きまーす!」
灯里は急いで階段を降り、受話器を取った。
「お電話ありがとうございます。ARIAカンパニーです。あっ!アリスちゃん!どうしたの?」
「お久しぶりです。灯里先輩」
電話を開けてきたのはアリスだった。
「只今戻りましたー!」
するとアイと浅海が買い物から帰ってきた。
「本当!?うん!楽しみにしてるね!」
灯里はとても嬉しそうな表情をしていた。
「灯里さん、お使いから戻りましたー。」
「アイちゃん、浅海ちゃんおかえり。お使いありがとね。」
「何かいいことでもあったんですか?」
「うん、実はね…」
アリスが電話をかけてきた理由は、忙しいシーズンも過ぎ、藍華、アリスもスケジュールに余裕が出てきた。3人とも忙しいためなかなか会えない。今年はあまり会えていなかった。みんなでARIAカンパニーに集まろうという事になったのだ。
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