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雲と彼女の昼休み
昼。
弁当を忘れた。
購買に行った。
人に酔った。しかも財布を落とした。
「可哀想だと思わない!? つぅわけで奢「嫌だ」
「まだ最後の一言言ってなかったよ!?」
「其処まで言われれば誰でもわかるよ!」
ひとでなしー!!と叫ぶ少女と、咬み殺すよ!?とトンファーを軽く構える雲雀。
「あの、委員長‥‥」
「何!? つまらないことだったら咬み殺す」
「あ、お茶がいるかどうかだったらいるからさっさととっととちょーだい」
「‥‥非常に申し上げにくいのですが‥‥‥こちらに財布が届いております」
『は?』
風紀委員はそう言い恭しく財布を見せた。
「あ~ッ、私のお財布っ! あんた!? あんたなの!? よくも私のお財布をかどわかしたわねッ!?」
「其処の廊下に落ちておりましたが」
「‥‥‥‥とりあえず」
ゆっくりと雲雀は応接室のドアにトンファーを向けた。
「出てけ」
「イヤン★」
「‥‥財布は見つかったでしょ」
「まだお茶をもらってないよ、雲雀」
「早くしないと授業始まるよ」
「自習だもーん。つか先生に嫌われてるしぃ☆」
「‥‥‥わかった。
一時間だけ此処にいてもいいから僕に迷惑かけないでよね」
うんざりするように頭に手を当てて言う雲雀。
それに、
「雲雀が‥‥」
「委員長が‥‥」
「…何?」
『おかしくなった…!!』
二人の心は重なった。
にっこり。
雲雀はそれに青筋を浮かびあがらせながら口角を吊り上げ、死刑宣告をした。
「咬み殺す」
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