金魚と花火と僕と君

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「なぁなぁなぁ。」 岳人はペチペチとオレの肩を叩いていた。 「何?」 「明日、暇?」 急な岳人からの誘いに喜びが込み上げてくるが、平常心を保ち問う。 「暇やけど何かあるん?」 「明日から夏休みじゃん!花火大会行こうぜ!花火。」 なるほど。 どうりで岳人が興奮しているわけだ。 「ええよ。」 くしゃりと頭を撫で明日の待ち合わせをして帰宅した。 花火大会当日。 気合いを入れて浴衣なんかを着て来てしまったオレ。 これで岳人が女物の浴衣を着て来たら万々歳だが、そんなことないよなぁとくだらないことを考えながら岳人を待っていた。 すると、 「侑士~!」 岳人の声がした。 振り返ってみると女の子がこちらに走ってくる。 誰や?と思っていると女の子はオレの前に止まった。 「遅れてごめん。母さんが張り切っちゃってさぁ。」 もしかして、岳人なんか。 まだ、妄想中なんやろか… 「どうしたんだよ、侑士。やっぱり変だよなぁ。母さんがねぇちゃんの浴衣買ってきたんだけどサイズ間違って買ってきてさぁ、勿体無いからってオレに無理矢理着せたんだぜ。」 本当に困ってるんだよ。と岳人。 グッジョブ!岳人のお母さん。 岳人は白地で金魚柄の浴衣を着て髪には和風のヘアアクセサリーを付けていた。 可愛いと言いそうになる。
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