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オレが校内をうろうろしているときであった。
「なぁ、岳人。」
いきなり侑士が声をかけてきた。
「ん?何か用か?」
「あんなぁ、一緒にジジィのパーティー付き合ってくれへん?」
侑士は医者の息子でたまに跡部のようにパーティーを開くことがある。
「いいけど。ジジィってことは侑士の父さんの誕生日パーティーか何かなのか?」
「いや、じぃさん。」
そういえば、忍足一族はみんな医療者なんだった。
「ほな、今日の夜に迎えに行くから。」
侑士はヒラヒラと手を振って行ってしまった。
今更になってOKしなかったらよかったかもと思ってしまったオレであった。
夜。案の定、パーティーに行く前にドレスに着替えさせられた岳人。
「毎回、何で着替えさすんだよ!」
「そりゃ、可愛いからと言いたいところやけど、家のジジィは気難しい人やから男なんか連れてったりしたら何言われるか分からんからな。今回は父さんも母さんも知ってるから遠慮せんでええで。」
そういう問題ではない。
そう言ってやりたいが侑士は岳人の手を引いて会場に入っていった。
何回来ても忍足家のパーティーは凄い。
跡部のところとは負けないぐらいなのだが、ここにいるメンバーが全て身内なのが一番凄いところと言える。
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