君は王子様

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「あら、侑士さん。」 女性が侑士に話しかけてきた。 この人はテレビにも出てる有名な女医であった。 「侑士さん、立派になったのねぇ。今は高校生だったかしら?」 「いえ、まだ中学三年生ですよ。」 侑士が標準語で喋っている。 有り得ないと言うより似合わない。 岳人は侑士が喋っているので食事でも取りに行こうとテーブルに向かった。 「やぁ、おチビさん。」 と誰かに声をかけられた。 「誰がおチビだ!!」 振り返ると謙也が立っていた。 「あっ、エセ侑士。」 「誰がエセ侑士や。それより一人で何してんの?」 とドリンクを差し出してきた。 岳人はそれを受け取り話す。 「侑士が来てくれって言うから来てやったんだ。」 「ふ~ん。それ、向日の趣味なん?」 謙也は侑士が用意したドレスを指して言った。 「そんな訳ねぇだろ!!侑士!侑士が勝手に用意したんだよ!」 グビグビと照れ隠しにドリンクを飲み干した。 「へぇー。似合ってるで。」 「嬉しくねぇよ。」 岳人は自分の身体が段々熱くなるのを感じながら言った。 「でも、顔真っ赤やで。」 「そんな訳…」 パッと謙也の方を見ると顔がすぐ近くにあった。 もしかしてキスされるかも。
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