僕のサンタクロース

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僕のサンタクロース

ここはとある孤児院。 いつも岳人は一人でいました。 そんなある日、院長先生がやってきました。 「がっくん、お家が決まったわよ。」 「お父さんとお母さんが迎えに来たの?」 院長先生は違うと首を振りました。 岳人は悲しくなりました。 知らない人の家にはやはり行きたくはありません。 「でもね、がっくん。がっくんもちゃんと知ってる人よ。」 知ってる人?誰だろう… と岳人が思っているとフワリと体が浮きました。 「メリークリスマス!がっくん。」 岳人を持ち上げたのは侑士でした。 「侑士だぁ!!今年は何をくれるの?」 「家や。今日からがっくんはうちの子やで。」 引き取るのはどうやら侑士だったようです。 毎年、侑士はクリスマスに現れてプレゼントをくれていたのに引き取るなんて… 岳人はびっくりして声がでませんでした。 「どないしたん?嫌やった?」 岳人は違うと首を振りました。 「侑士がオレだけのサンタになった…」 「嬉しいやろ?」 うんと頷いてギュッと抱きつきました。 「ありがとう、サンタさん。」 終
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