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千夜一夜
ずっと君と二人で
千夜一夜
「見て見て!一番星だ、侑士!!」
とオレの袖をひっぱり空を指さす可愛い恋人。
オレはその指の先に目をやる。
「あれは一番星やなくてここらでは一個しか見えてへん星や。」
「夢のない事言うなよ!」
と頬を膨らます岳人。
「すまんすまん。ついこの正直な口が・・・。」
「もう喋るな!」
あら?怒らせてもた。
冗談やのに。
「・・・・なぁ、侑士。オレ達はずっと一緒だよな?」
何や?いきなり。
そういや、今日もいきなり呼び出されたんやったっけ?
「・・・つーか、一緒にいてくれよ。」
いつにもない弱きな岳人。
「オレは岳人が嫌がってもずっと一緒におるつもりやけど、どないしたん?いきなり。」
「怖いんだ。死ぬのが。一人で死ぬのが。何日か前、幼稚舎で一緒だったヤツが死んだんだ。何でだと思う?・・・イジメだ。イジメられてたんだ。」
岳人・・・。
「オレ、何も知らなかった。アイツはオレの前では笑顔で何も話さなかった。オレは何もアイツにしてやれなかった・・・。」
オレは涙を流す岳人を静に優しく抱き締めた。
「で、次は岳人がそいつをイジメとったヤツのターゲットになったんか?」
岳人はコクリと頷いた。
オレは強く岳人を抱き締め言った。
「オレはあの星に誓ったるわ。岳人とずっと一緒におる。岳人を守ったる。」
千夜一夜ずっと一緒におって、ずっと愛してやる。
一緒に寝て同じ夢を見よう。
オレ達は一緒だ。
他の奴らには邪魔させない。
そうこれは千夜一夜の愛物語。
fin.
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