聖バレンタイン

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聖バレンタイン

「バレンタインキィッス♪リボンをかけ~て♪」 「・・・何してんだよ。侑士。」 と岳人がオレを白い目で見る。 「岳人!今日はな・・・」 「鳳の誕生日だろ!」 ・・・その通りや、岳人。 でもな、オレが言いたかったんは・・・ 「バレンタインデーや!!」 「それぐらい知ってるよ。どうせ、侑士はいっぱい貰って鞄がパンパンなんだろ!」 うん。そう。 でも、オレの本命からはまだ貰ってないんやぁっ!! 「オレなんか母さんと姉貴からしかもらえないんだぜ。」 いや、そんな事より・・・ 「岳人、チョコくれ!」 ・・・。 なんですか?この沈黙は。 そして岳人は鞄を漁りだした。 くるんか?くるんやな! 「はい!ダース!!」 とオレの口に箱を押し込んだ。 「これでいいだろ?じゃあな!」 と岳人は走って行ってしまった。 ・・・やけどええねん。 岳人からチョコ貰ったし。 オレは口から箱を取り、中を開けようとすると、 「アレ?開いとる。」 食べさし?と思い中身を出すと空っぽ。 どうやら岳人はこれが分かっていて逃げ帰ったようだ。 「・・・やられた・・・。」 End
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