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少年は何に向かって歌っているのだろうか。
それは多分少年自身もわからないものだろう。
あまりにも残酷な世界のせいでこの場にいる。あまりにも恵まれた不合理な境遇のせいで疎まれる。
でも、歌うことだけはやめることができない。
一曲をまるまる歌いきると少年は天を見上げた。
ここには誰も居ないのだ。誰も自分に気づいてくれないのだ。
するとふいに自分が立っていたゴミの山の陰から声がかけられた。
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