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茜『誰を張り込んでいるんですか?』
ホーク『それは企業秘密さ』
武『やっぱり』
蒼空『ところで昨日から気になっていたんですが…』
ホーク『なんだい?』
蒼空『ホークさんの本名はなんて言うんですか?』
ホーク『俺の本名…?』
ホークの顔が引きつった。どうやら一番聞かれたくない類の質問らしい。額に冷や汗がにじんでいる。
賢太『そうでした。ホークさんの本名はなんですか?』
明日香『まさかホークだよとは言いませんよね?』
ホーク『な、何故だい?』
明日香『先ほど本名はと聞かれてかなり動揺していました。もしホークが本名ならばそんなに動揺はしないはず。でしょう?』
明日香は落ち着いた物腰で言い放った。
ホーク『ううっ…』
茜『どうなんですか?』
ホーク『こ、これは…企業秘密』
茜『えー!?』
武『きたねぇ!』
ホーク『さぁさぁ、君達は高校生だろ? 学校に遅れるぞ』
蒼空『何故僕らが高校生だと分かったんです?』
ホーク『え!?』
明日香『確かに…私達は1回も高校生ですと名乗っていませんし、だいたい私達は学生服。ブレザーではありませんので中学生と受け取ってもいいはず…』
ホーク『ギクッ!』
全く、最近の子供はそういう事だけには頭の回転が早い、とホークは顔を歪ませた。
武『なんかおっさん、怪しいな…』
ホーク『ほら、なんだ…たまたまだよ。たまたま! ハハ…』
明日香『………そうですか』
蒼空『まぁいいや。本当に学校に遅れちゃうよ』
武『急ごうぜ!』
蒼空たちはさよならも言わずに走って行ってしまった。
ホーク『全く…鋭い子たちだ』
ホークは溜め息をつくと、目付きを変え、一軒の民家の屋根を睨み付けた。
ホーク『あの子たちには手を出させないぞ』
すると、屋根に黒い影が現れた。
『くっくっく。君に何ができると言うのだね?』
ホーク『できるさ。お前みたいなグリムにはお仕置が必要だ』
『くっくっく。人間ごときが我々プルール人の力に勝てると思うか? ハーッハッハッハ!』
屋根の上の影は消えていった。
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