覚醒

4/6
前へ
/469ページ
次へ
茜『誰を張り込んでいるんですか?』 ホーク『それは企業秘密さ』 武『やっぱり』 蒼空『ところで昨日から気になっていたんですが…』 ホーク『なんだい?』 蒼空『ホークさんの本名はなんて言うんですか?』 ホーク『俺の本名…?』 ホークの顔が引きつった。どうやら一番聞かれたくない類の質問らしい。額に冷や汗がにじんでいる。 賢太『そうでした。ホークさんの本名はなんですか?』 明日香『まさかホークだよとは言いませんよね?』 ホーク『な、何故だい?』 明日香『先ほど本名はと聞かれてかなり動揺していました。もしホークが本名ならばそんなに動揺はしないはず。でしょう?』 明日香は落ち着いた物腰で言い放った。 ホーク『ううっ…』 茜『どうなんですか?』 ホーク『こ、これは…企業秘密』 茜『えー!?』 武『きたねぇ!』 ホーク『さぁさぁ、君達は高校生だろ? 学校に遅れるぞ』 蒼空『何故僕らが高校生だと分かったんです?』 ホーク『え!?』 明日香『確かに…私達は1回も高校生ですと名乗っていませんし、だいたい私達は学生服。ブレザーではありませんので中学生と受け取ってもいいはず…』 ホーク『ギクッ!』 全く、最近の子供はそういう事だけには頭の回転が早い、とホークは顔を歪ませた。 武『なんかおっさん、怪しいな…』 ホーク『ほら、なんだ…たまたまだよ。たまたま! ハハ…』 明日香『………そうですか』 蒼空『まぁいいや。本当に学校に遅れちゃうよ』 武『急ごうぜ!』 蒼空たちはさよならも言わずに走って行ってしまった。 ホーク『全く…鋭い子たちだ』 ホークは溜め息をつくと、目付きを変え、一軒の民家の屋根を睨み付けた。 ホーク『あの子たちには手を出させないぞ』 すると、屋根に黒い影が現れた。 『くっくっく。君に何ができると言うのだね?』 ホーク『できるさ。お前みたいなグリムにはお仕置が必要だ』 『くっくっく。人間ごときが我々プルール人の力に勝てると思うか? ハーッハッハッハ!』 屋根の上の影は消えていった。
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!

490人が本棚に入れています
本棚に追加