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ホーク『は、はは…な、何をいっているんだい?』
蒼空『惚けないで下さい! もう分かっているんです! あなたの名前は鳥川興…! そして……父さん!!』
蒼空の体に電流が走る。
ホーク『!?』
ホークの目の色が変わった。蒼空は驚いた。そして目の色を変えた形相で蒼空の両肩をがっしり掴まれた。
蒼空『っ…!』
さっきまでは優勢だった蒼空だったが、いつの間にか立場が逆転していた。余りの剣幕に蒼空は今にも泣き出しそうになっていて、肩をしっかり握られたまま、壁に張り付けられていた。
蒼空『あ…あの…』
もう蒼空は怯えて声が声にならなかった。
興『言え、どうして分かった!?』
興は蒼空の肩を揺らしながら聞く。眉間にシワを寄せている。太陽の光はさえぎられ、興の顔に光が当たらないため、より恐ろしく感じさせた。
蒼空『あ…あの…僕…』
興『言え、言うんだ! 何故俺が鳥川興と…お前の父親だと分かった!? 大事な事だ!』
蒼空『声が…聞こえたから…』
興『声…?』
蒼空『机やライトが…喋って…さっきも父さんの制服が…』
興『はっ…!?』
興は自分の制服を見つめる。
制服『あちゃ~…聞かれちゃってたか…』
蒼空はもう涙が止まらなかった。壁に寄り添う脚はもうガクガクに震えていた。すると興は蒼空の肩から手を放した。そして深い溜め息を付いた。
興『はぁ~……やはり俺の能力を受け継いでいたか…』
蒼空『へぇ?』
ようやく脚の震えが止まってきた。
蒼空『能力って?』
興『いや、俺が君の父親だということは当たってる。詳しい事は学校の帰りにここで待ってる』
興は蒼空の頭にポンと手を乗っけた。
蒼空『う…うん…』
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