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蒼空『何処に行くの?』
興『俺の仕事場』
蒼空『父さんの?』
興『ああ。さぁ、車に乗って』
そう促され、乗り込んだ赤い車。中は懐かしい匂いがした。ハンドルの横には写真が飾ってある。そこには生まれたばかりの蒼空と笑顔でピースをする雪の姿が映っていた。
興がアクセルを踏む。エンジンの震動が直に伝わってくる。車は町外れの藤ヶ岳山の横を通過し、しばらくすると、広い平原についた。しかし、そこは普通の平原とは違っていて、平原全体を囲むように高い壁が立っている。
赤い車は門らしき所に車を近付けた。すぐさま警備員が駆け寄ってきた。警備員は赤い車の窓を軽くノックした。開けられた窓の外から警備員は声をかける。
警備員『通過証を』
興は胸ポケットから薄い手帳らしきものを取り出し、警備員に見せた。
警備員『…はい。確かにIAU日本支部所属ホーク大尉。お帰りなさいませ』
門が開く。
興『ありがとう』
興は車を再度発進させる。赤い車をは地下の駐車場に止め、そこからエレベーターで上に上がる。
蒼空はドキドキと胸をときめかせた。目に入るすべてが新鮮。こんなばかでかい建物は見た事があるだろうか。
まずこんな建物があったことすら知らない。
蒼空『ねぇ、さっきの警備員が言ってたIAUってなに?』
制服『IAUってのはだな…』
蒼空『ひっ…!』
興『こら、蒼空はまだ慣れてないんだ。黙ってろ』
制服『おっかね~おっかね~』
雪『蒼空…それは後で教えるわ』
蒼空『うん…』
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