IAU《国際秘密異能力者取締組織》

4/7
前へ
/469ページ
次へ
エレベーターを降りた時、最初に蒼空の瞳に飛び込んできたのは女性だった。キリッとしていて、いかにも有能な顔つきで、瞳は青く、鋭い目付きでこちらを見ていた。黒っぽくて腰まで伸びている髪は、光に当たると濃い藍色に変わった。 『ああ、ホーク…やっときましたか…』 彼女の話し方まで有能そうだった。手に持っている資料をペラぺラめくり、話しかけてきた。 興『この会議室ではコードネームは不要と言わなかったかな?』 『そうでした。では…』 謎めいた美しい女性は青い瞳を閉じて1呼吸入れる。 『あ~ん! お久し振りですわぁ! 興様~!』 蒼空は目が飛び出すかと思った。それほど驚いたのだ。この違い。これほど人は変われるものだろうか。 興『こら、バーバラ! くっつくな!』 雪『ちょっと! なに人の夫に手を出してんのよ!』 バーバラ『あら、私たちの愛の前では夫婦という壁は通用しなくてよ?』 興『勝手に決めるなぁぁ!』 蒼空『は…ははは』 父さんはもてたと言っていたけどあながち嘘ではないらしい。 『あなたたちはここに何しに来たんですか?』 『遊びにきたわけではないでしょう?』 興『はは…そうだったね』 バーバラ『チッ!』 雪『チッ!って何よ!』 ○ 『で、君が興の息子の…』 蒼空『蒼空です。鳥川蒼空。あおい空と書いて蒼空!』 『そう。私は北林 真耶。コードネームはミレイユ…』 『私は村山鈴。コードネームはミーナ』 蒼空『女性ばかりですね』 興『そうでもないぞ?』 蒼空『え?』 ミーナ『私、実はsexual change《性別変換》っていう能力があったんだけど4歳の頃で止まっちゃってね。それからず~っと女の子のままなのよ』 蒼空『は?』 興『あ~…それは順を追って説明するよ』
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!

490人が本棚に入れています
本棚に追加