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エレベーターを降りた時、最初に蒼空の瞳に飛び込んできたのは女性だった。キリッとしていて、いかにも有能な顔つきで、瞳は青く、鋭い目付きでこちらを見ていた。黒っぽくて腰まで伸びている髪は、光に当たると濃い藍色に変わった。
『ああ、ホーク…やっときましたか…』
彼女の話し方まで有能そうだった。手に持っている資料をペラぺラめくり、話しかけてきた。
興『この会議室ではコードネームは不要と言わなかったかな?』
『そうでした。では…』
謎めいた美しい女性は青い瞳を閉じて1呼吸入れる。
『あ~ん! お久し振りですわぁ! 興様~!』
蒼空は目が飛び出すかと思った。それほど驚いたのだ。この違い。これほど人は変われるものだろうか。
興『こら、バーバラ! くっつくな!』
雪『ちょっと! なに人の夫に手を出してんのよ!』
バーバラ『あら、私たちの愛の前では夫婦という壁は通用しなくてよ?』
興『勝手に決めるなぁぁ!』
蒼空『は…ははは』
父さんはもてたと言っていたけどあながち嘘ではないらしい。
『あなたたちはここに何しに来たんですか?』
『遊びにきたわけではないでしょう?』
興『はは…そうだったね』
バーバラ『チッ!』
雪『チッ!って何よ!』
○
『で、君が興の息子の…』
蒼空『蒼空です。鳥川蒼空。あおい空と書いて蒼空!』
『そう。私は北林 真耶。コードネームはミレイユ…』
『私は村山鈴。コードネームはミーナ』
蒼空『女性ばかりですね』
興『そうでもないぞ?』
蒼空『え?』
ミーナ『私、実はsexual change《性別変換》っていう能力があったんだけど4歳の頃で止まっちゃってね。それからず~っと女の子のままなのよ』
蒼空『は?』
興『あ~…それは順を追って説明するよ』
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