五利

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蒼空『うわあああ! 僕はなんて馬鹿なんだ! まさか父さんが家にいないのは浮気しているからだなんて思っていたなんて~! 母さんがいってた通り、あんな忙しい仕事してたら家に帰れないよぉ~!』 蒼空は顔を両手で隠しながら、ベッドの上に転がり回っていた。 ベッド『あ、あのですね…私の上で暴れるのはよしてもらえませんかね?』 蒼空『うわあああん!』 机『ダメだこりゃ』 カーテン『でもよかったですよね。興さんの誤解が解けて』 ライト『まあね』 ○ 翌朝。 今日もまた新しい1日が始まる。近くの売店で買ったコーヒー牛乳を片手に家からすっとんでいく蒼空。途中で茜たちと合流して、仲良く登校。もちろん自分があらゆる物質の声が聞こえるマテリアルマインドだということは内緒にして。 やがて授業も終わり、下校する時間がやってきた。蒼空たちはいつもの5人組で下校する。いつものテレビや今日の事を仲良く喋る。そしていつも朝、ホーク…興が立っている場所まできた。しかし、今はいない。するとその時…。 『見~つけた』 『やっとつかまえたぞ』 茜『あれ? 何か聞こえなかった?』 明日香『はい。私も聞こえました』 『フフフ。こっちよ』 声が聞こえた場所は民家の屋根の上だった。そこには若い男性と女性が立っていた。 『いつも邪魔がいたからつかまえられなかったけど…』 『いまなら…』 2人の男女は突然姿を消したかと思うと、一瞬のうちに5人の前に現れた。 茜『きゃ!』 賢太『な、なんだ!?』 武『どうやって…!』 明日香『あなたたち…普通の人間ではありませんね』 『ご名答。私たちは人間の姿をしてるけど人間じゃないわ』 『我々は地球外生物…一般的にグリムと呼ばれている』 蒼空『グリム…ッ!?』 蒼空の心臓が大きく鼓動する。昨日の興の言葉を思い出していた。グリムが蒼空を狙っていることを。 グリム『それにしても私たち、よっぽど運がいいのね。この子たち…五利よ』 グリム『ああ。五利だ』 蒼空『ご…ごりって?』 グリム『早めにいただきましょう』 グリム『ああ』
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