五利

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しかし、様子が変だった。グリムたちは蒼空だけじゃなく、他の4人も襲おうとしている。 明日香『…』 明日香は毅然とグリムを睨み付けた。 女のグリムからは黒い鞭のようなものが生えてきて、男のグリムは両手の甲から鋭く、黒いナイフを突き出した。 2人は一斉に蒼空たちに飛び掛かる。 茜『キャアアア!』 蒼空『うわあああ!』 すると空の彼方から大きな岩が無数に落ちてきて、グリムたちに直撃した。そして岩に続いて、興も空からふってきた。 茜、武、賢太、明日香が同時に『ホークさん!?』と叫んだ。 蒼空『と、父さん!?』 茜『へ?』 蒼空『実は…あの人僕の父さんなんだよね』 興『呑気な事をいっている場合じゃないぞ! 俺の後ろに回れ!』 地面に突き刺さった岩の隙間から黒い紐が伸び出して、それはそれぞれのグリムの形を作った。 グリム『あら? もう来たの?』 グリム『予定より少し…早い』 興『あの真っ黒のグリムはもう片付けたぜ。まあ、気絶させただけだけどな』 グリム『ケケはやられたのか…』 グリム『別にいいわよ、カーカ。あんなのには最初から期待してないわよ』 興『お前たちの狙いはなんだ!?』 グリム『私達の狙い? 決まっているでしょ? その子たちよ』 茜『え!?』 明日香『なんですって!?』 興『なぜこの子たちを狙う?』 カーカ『そいつらは目覚め始めた能力の卵だからだ』 興『能力の…卵?』 グリム『今、目覚め始めようとしている異能力の最初の5人…』 カーカ『五利だからだ』 興『五利?』 グリム『全てを担っている5つの利…』 カーカ『その5つの利が完全に目覚めた時、本当の戦いは始まる』
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