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興『本当の戦い?』
グリム『地利…大地。氷利…氷。炎利…炎。水利…水。そして森羅万象の万利。この世の全てを司っているこの5つの利が五利…』
カーカ『そしてその五利の生血を吸えば…』
グリム『私達は最強の力を手に入れられる…』
茜『その五利が私たちだっていうの?』
カーカ『そう…』
グリム『実際にはもう万利と氷利は目覚めている…』
茜『え!?』
蒼空『そんな! 僕以外にも!』
明日香『言いたい事はそれだけですか?』
冷気。肌を突き刺すような凍てつく冷気は、明日香の周囲を取り巻いていた。そして、明日香の瞳がゆらりと動くと、冷気はカチカチと氷の槍を形作り始めた。
茜『そんな!』
武『明日香ちゃんが!?』
賢太『馬鹿な』
興『な…に?』
蒼空『明日香ちゃん!?』
明日香『蒼空君…あなた、万利なんでしょう?』
蒼空『な! なぜそれを…!?』
明日香『分かるのよ…同じ五利仲間として』
茜『ま…まさか蒼空まで…!?』
蒼空『うっ…』
蒼空は言葉が続かなかった。
武『まさか…蒼空まで…』
グリム『え? 何いってるのかしら…私の話を聞いていなかった? その殺意むき出しの女の子と藍色の髪の可愛い男の子だけじゃなくてぇ~』
カーカ『お前達全員だ』
グリム『というわけで…』
カーカ『貴様らの生血…一滴残さず渡してもらおう』
また黒い凶器をむき出しにしてくるグリムたち。
興『させないと言っているだろ!
゛ゴーレム゛!!』
地面に突き刺さった岩が勝手に動きだし、巨大なゴーレムを作り出した。
ゴーレム『オオオオオッ!』
蒼空『これが…父さんの…マテリアルマインドの力…』
グリム『いや~ん、こわ~い!』
カーカ『だが…我々には無意味…』
女のグリムから黒い紐が飛び出し、ゴーレムに巻き付いて身動きをとれなくしてしまった。
興『しまった!』
カーカ『…散れ』
手のひらの甲から突き出した黒いナイフはゴーレムを八つ裂きにしてしまった。ゴーレムは音をたてて崩れ去る。
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