五利

6/6
前へ
/469ページ
次へ
カーカ『inferno《インフェルノ:焦熱地獄》…』 リリー『ええ…。炎系最強の力…』 茜『…?』 茜からほとばしる゛赤゛は消えない。 リリー『そして…』 リリーはそっと明日香に目を流す。 明日香『…』 明日香は無表情でカーカとリリーを見据え、氷を待機させている。 カーカ『ああ。iceberg《アイスバーグ:氷山》…氷系で一番厄介な相手…』 リリー『そして五利の中で一番厄介な相手は…』 カーカ『…万利…material mind《マテリアルマインド:物質の意》…』 蒼空『!?』 興『…』 興は先ほどの黒い影に逃れるために抵抗したせいか、息があがっていた。 リリー『まだ水利と地利が目覚めていないみたいだけど…いつ覚醒するか分からないわよ』 カーカ『もし…五利全てがそろえば…我らに勝ち目はない…』 リリー『だったらここは引きましょう』 カーカ『ああ…。だが、忘れるな』 リリー『万利…氷利…水利…地利…炎利…その全てが覚醒した時には…』 カーカ『本当の戦いが始まる…』 興『待て! 本当の戦いとはなんだ!?』 聞く暇もなく、グリムたちは消えていった。 興『ちっ!』 茜『ふにゃ…』 茜は崩れるように地面に屁たれこんだ。もう゛赤゛は消えていて、紅蓮の瞳はいつものような透いた茶色をしていた。 茜『ふぇ~…疲れたよ~…』 武『な…何が起こったんだ?』 賢太『あいつらは…一体…』 明日香『ホークさん…説明してもらいましょうか?』 明日香が落ち着いた物腰で、青く光る右目をちらつかせながら興に訊いた。 興『…今聞いた通りだよ…』 明日香『詳しく説明して下さい…』
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!

490人が本棚に入れています
本棚に追加