490人が本棚に入れています
本棚に追加
カーカ『inferno《インフェルノ:焦熱地獄》…』
リリー『ええ…。炎系最強の力…』
茜『…?』
茜からほとばしる゛赤゛は消えない。
リリー『そして…』
リリーはそっと明日香に目を流す。
明日香『…』
明日香は無表情でカーカとリリーを見据え、氷を待機させている。
カーカ『ああ。iceberg《アイスバーグ:氷山》…氷系で一番厄介な相手…』
リリー『そして五利の中で一番厄介な相手は…』
カーカ『…万利…material mind《マテリアルマインド:物質の意》…』
蒼空『!?』
興『…』
興は先ほどの黒い影に逃れるために抵抗したせいか、息があがっていた。
リリー『まだ水利と地利が目覚めていないみたいだけど…いつ覚醒するか分からないわよ』
カーカ『もし…五利全てがそろえば…我らに勝ち目はない…』
リリー『だったらここは引きましょう』
カーカ『ああ…。だが、忘れるな』
リリー『万利…氷利…水利…地利…炎利…その全てが覚醒した時には…』
カーカ『本当の戦いが始まる…』
興『待て! 本当の戦いとはなんだ!?』
聞く暇もなく、グリムたちは消えていった。
興『ちっ!』
茜『ふにゃ…』
茜は崩れるように地面に屁たれこんだ。もう゛赤゛は消えていて、紅蓮の瞳はいつものような透いた茶色をしていた。
茜『ふぇ~…疲れたよ~…』
武『な…何が起こったんだ?』
賢太『あいつらは…一体…』
明日香『ホークさん…説明してもらいましょうか?』
明日香が落ち着いた物腰で、青く光る右目をちらつかせながら興に訊いた。
興『…今聞いた通りだよ…』
明日香『詳しく説明して下さい…』
最初のコメントを投稿しよう!