物語の始まり

2/2
前へ
/469ページ
次へ
ある晴れた日の朝。大人達はラッシュアワーを迎える。忙しい1日が今日も始まったのだ。その忙しい大人達を見て呑気にコーヒー牛乳を飲む1人の男の子がいた。 『忙しないなぁ。大人達は…』 この少年の名前は鳥川 蒼空(とりかわ そら)。この物語の主人公である。コーヒー牛乳がなにより大好きであり、長所は可愛い事で短所も可愛い事。 だから将来の夢は『女の子に可愛いじゃなく、カッコいいと言われる事』という何とも微妙な夢の持ち主である。だから蒼空のカバンには常にコーヒー牛乳が入っている。 蒼空『全く…退屈な1日だな』 『あら、蒼空君じゃない。おはようございます』 蒼空『あ、明日香ちゃん!!』 明日香『今日もいい天気ですね』 蒼空『うん。そうだね』 明日香『宿題はちゃんとやってきましたか?』 蒼空『ああ。もちろんだよ…』 明日香『それは良かった』 蒼空『あ、あははは!』 明日香『クスッ』 『あ!蒼空ー!』 『おい!蒼空!』 『蒼空!』 蒼空『あっ! 武に茜! それに賢太!』 武『いいなぁ、朝から明日香ちゃんと一緒で』 賢太『抜け駆けはいけないよ』 茜『蒼空、おっはよ!』 蒼空『おはよ』 明日香『おはようございます』 茜『ねぇ蒼空!』 蒼空『ん?』 茜『さっきから気になってるんだけど…前にいる危なそうな犬は何?』 蒼空『へ?』 犬『グルルルル…』 蒼空『わーい。見事に歯をむき出しにしてるよ~』 武『褒めて欲しいんじゃないかー?』 犬『バウバウバウ!』 蒼空『んなわけあるか、逃げろぉー!』 賢太『うわぁああ!』 蒼空『なんだよ、このお約束の展開は!?』 犬は猛スピードで追いかけて来る。すると目の前に1人の男性がでてきた。 蒼空『あ、危ないよ、おっさん!』 『………』 明日香『逃げて下さい!』 『…ちょっと騒がしいな』 犬『!? キャウン、キャウン!』 男がぎろりと犬を睨みつけるや否や、犬は怯えたように尻尾を巻いて逃げていった。 茜『え…?』 蒼空『あなたは…一体…』 『俺かい? 俺は…ホーク…』 その時、僕は本当の人生の歯車が動き出したことに気付きはしなかった。
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!

490人が本棚に入れています
本棚に追加