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ある晴れた日の朝。大人達はラッシュアワーを迎える。忙しい1日が今日も始まったのだ。その忙しい大人達を見て呑気にコーヒー牛乳を飲む1人の男の子がいた。
『忙しないなぁ。大人達は…』
この少年の名前は鳥川 蒼空(とりかわ そら)。この物語の主人公である。コーヒー牛乳がなにより大好きであり、長所は可愛い事で短所も可愛い事。
だから将来の夢は『女の子に可愛いじゃなく、カッコいいと言われる事』という何とも微妙な夢の持ち主である。だから蒼空のカバンには常にコーヒー牛乳が入っている。
蒼空『全く…退屈な1日だな』
『あら、蒼空君じゃない。おはようございます』
蒼空『あ、明日香ちゃん!!』
明日香『今日もいい天気ですね』
蒼空『うん。そうだね』
明日香『宿題はちゃんとやってきましたか?』
蒼空『ああ。もちろんだよ…』
明日香『それは良かった』
蒼空『あ、あははは!』
明日香『クスッ』
『あ!蒼空ー!』
『おい!蒼空!』
『蒼空!』
蒼空『あっ! 武に茜! それに賢太!』
武『いいなぁ、朝から明日香ちゃんと一緒で』
賢太『抜け駆けはいけないよ』
茜『蒼空、おっはよ!』
蒼空『おはよ』
明日香『おはようございます』
茜『ねぇ蒼空!』
蒼空『ん?』
茜『さっきから気になってるんだけど…前にいる危なそうな犬は何?』
蒼空『へ?』
犬『グルルルル…』
蒼空『わーい。見事に歯をむき出しにしてるよ~』
武『褒めて欲しいんじゃないかー?』
犬『バウバウバウ!』
蒼空『んなわけあるか、逃げろぉー!』
賢太『うわぁああ!』
蒼空『なんだよ、このお約束の展開は!?』
犬は猛スピードで追いかけて来る。すると目の前に1人の男性がでてきた。
蒼空『あ、危ないよ、おっさん!』
『………』
明日香『逃げて下さい!』
『…ちょっと騒がしいな』
犬『!? キャウン、キャウン!』
男がぎろりと犬を睨みつけるや否や、犬は怯えたように尻尾を巻いて逃げていった。
茜『え…?』
蒼空『あなたは…一体…』
『俺かい? 俺は…ホーク…』
その時、僕は本当の人生の歯車が動き出したことに気付きはしなかった。
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