希望という名の鷹

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蒼空『ホーク…?』 ホーク『君達は学生かな? 怪我をしないように気をつけてね』 その男性は逞しい体付きをしていた。髪は赤色で、見たことのない制服のような服を着ていた。 蒼空はいままで感じたことない感情に襲われた。しかし、蒼空にはそれが何なのか分からなかった。 『なぁ、興。この子って昔のお前に似てないか?』 ホーク『そうかな?』 茜『へ?』 ホーク『いや、なんでもないよ』 蒼空(なんだろ…今何か聞こえたような気がしたんだけど…) ホーク『じゃあ俺は仕事があるから』 ドックンッ… 蒼空『…っ!』 茜『?』 蒼空『ぁ……はぁっ……はぁ…!』 賢太『おい、どうした?』 ホーク『? どうしたんだい?』 ドクン…ドクン…ドクン… 蒼空『はぁ…はぁ…はぁ!』 茜『ちょっ! どうしたんの!?』 ホーク『どうしたんだ? おい!』 (話しかけるな!) ドクン…ドクン…ドクン… 蒼空(誰?) ホーク『おい! しっかりしろ!』 (話しかけるなぁ!) ドクン…ドクン…ドクン… 明日香『どうなされたのですか?』 明日香が話しかけて来た瞬間に蒼空の異常な心臓の鼓動はおさまって、普通の状態に戻った。 蒼空『いや、なんでもないんだよ。大丈夫…』 そういう蒼空の服は汗でべっとりと湿っていた。 ホーク『大丈夫かい?』 蒼空『ええ。なんとか…』 賢太『今日は学校は休んだ方がいいんじゃないか?』 蒼空『いや、大丈夫だよ。もう元気になってきたから!』 茜『あんたって昔から元気になるのって早かったわよね』 蒼空『あは、あははは…』 武『ではホークさん。俺たちには学校があるので』 ホーク『あ、ああ…』 その場から立ち去る蒼空たち。 茜『蒼空。本当に大丈夫?』 蒼空『ああ…大丈夫』 立ち去る蒼空たちを見てホークは呟いた。 ホーク『そ…ら?』 ホークは懐かしみ染みた瞳で蒼空の背中を見ていた。
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