第一章〔不運〕

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第一章〔不運〕

戦争が日常化した近未来 何処かのありふれた戦場 戦争は変わった 国家や思想の為でもない 利益や民族の為でもない 金で雇われた傭兵部隊と造られた無人兵器が 果てしない代理戦争を繰り返す 命を消費する戦争は合理的な痛みのないビジネスへと変貌した 戦争は変わった ID登録された兵士達は ID登録された武器を使い ID登録された兵器を使う 体内のナノマシンが彼らの能力を助長し管理する 遺伝子の制御 情報の制御 感情の制御 戦争の制御 全ては監視され統制されている 戦争は変わった 時代は抑止から制御に移行し 大量破壊兵器によるカタストロフは回避された そして戦場の制御は 歴史のコントロールをも可能にした 戦争は変わった 戦場は制御管理された時 戦争は普遍のものとなった
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