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昭和十九年七月十五日―
午前三時―
待機室に放送が流れた。
「第五独立高射大隊各隊は、直ちに戦闘配置に付け!」
待機室で休んでいた隊員達は、飛び起きてそれぞれの持ち場へと走った。
俺もすぐに戦闘指揮車に入り、自分の持ち場である捜索電探操作員席に座ると、送受話器を頭から耳に架け、捜索電探の主電源を入れ各装置の点検を始めた。
間もなく木村隊長が俺の右隣の席に着き、送受話器を架けそのマイクを手で支え送信ボタンを押しながら言った。
「雷一番隊、これより戦闘配置!」
そう言うと目の前にある、白色に光るボタンの隣のボタンを押すと、そこが青色に光り、隣の白色のランプが消えた。
隊長の目の前にある四つのボタンにはそれぞれ意味がある。
今消えた白色のランプが点灯している時は、平時体制で青色のランプが点灯している今は、戦闘配置体制であり黄色のランプが点灯している時は、戦闘準備体制、赤色のランプは戦闘状態なのである。
「捜索電探、配置良し。」
「演算機、配置良し。」
「早期警戒盤、配置良し。」
「通信、配置良し。」
「電探指揮車、配置良し。」
「発射小隊、配置良し。」
「戦闘指揮官、了解。」
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