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「雷山、こちら雷一番。戦闘配置良し。」
「雷一番、こちら雷山。了解、別命あるまでそのまま待機せよ。」
「雷一番、了解。」
「雷一番隊、こちら戦闘指揮官。これから長い一日が始まる。今から緊張するな、適当に休んでおけ、以上。」
ほんとに長い待機時間が始まった。
この日の早朝、日の出前の暗い内から艦上偵察機、彩雲は敵艦隊捜索の為、次々と飛び立って索敵の任に就いた。
また、日が昇ってからは烈風が哨戒任務の為か、十数機単位で出撃して行った。
俺は爆音が聞こえるたんびに、すぐ左手にある脱出用小扉を開け、頭を出して空を見上げたが、蒸し暑い南国の空気にすぐに頭を引っ込め、扉を閉めた。
午前七時になり戦闘食が配られ皆、握り飯を頬ばっり敵の出方が鈍い訳を木村隊長に聞いてみた。
「うむ、それは多分我が軍の内情が解らんからであろう、これまで敵の偵察機はことごとく撃破され、こちらの状況がまったく解っとらんから、手の出し用がない。しかしそれもここまでだろう、今に一気に押し寄せて来るぞ!」
皆、黙って聞いて納得しているようであった。
実際、隊長の予言はピタリと当たったのである!
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