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光りの帯が左右から徐々に近づいて来て、それが重なり大きな塊と成り、やがて小さくなって次の光りの帯へと移動して行く。 捜索電探の表示画面上に映し出される、その様子は実は今、正に行われているマリアナ沖の大空中戦なのである! 今のところ我が軍の迎撃機が敵機を抑えているが、その網の目をすり抜けて来る敵機が見えはじめた。 早期警戒盤の谷口伍長が雷山からの目標情報を、警戒盤に忙しく記入しはじめた。 「雷、雷、こちら雷山。これより我が隊は対空戦闘を開始する。皇国の興廃はこの一戦に在り、粉骨砕身各員その任を完うせよ!」 「雷一番、了解!」 「雷二番、了解!」 「雷三番、了解!」 「雷四番、了解!」 「雷一番、こちら雷山。第一目標一○一、第一目標一○一。」 「雷山、こちら雷一番。第一目標一○一、了解。」 木村隊長は警戒盤を見て、目標一○一の諸元を確認した。 機数五、速度二五十、高度三千、針路東、以上がその諸元である。 俺も振り返ってそれを確認してから、表示画面を睨み目標一○一を多数の輝点の中から探し出し、目標指示印を合わせて、隊長の顔を見た。 「目標一○一確認!これですね。」
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