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興奮ぎみの兎梁の言葉に適当に相槌を打ちながら時雨の元に。
「しぐーおはよー」
「あぁ、はよ」
微笑む時雨。
畜生っ!イケメンリア充氏ね!
なんて心の中で悪態をついてると、時雨が口元をひきつらせながら
「お前もリア充っつったらリア充だろーが。かっけー兄貴連れて!……ったく」
「そーだよ、加浬くん!加浬くんはリア充だよっ!物凄く充実してるよ!萌えだよぉぉっ!」
隣からそんなことを言う兎梁。
リア充……ってどこがだよ。
あれは、兄貴、だろ?
ただの……兄貴……。
ん?なんか、またもやもやが増えた気がする?
もやもやの正体がわからないまま、その日は終わった。
今日は兄貴が一緒に帰るとか言ってやがったからしかたなく!兄貴のクラスに向かった。
兄貴のクラスに顔を出すと、女子とかに囲まれてる兄貴。
――……もやもや。
――……モヤモヤモヤモヤ。
教室の入り口に立ってると、兄貴がこっちに気付いた。
周りの人達から離れて、俺のとこにくると笑って
「帰ろっか」って。
それだけで、もやもやが減る。
兄貴の隣で、一緒に歩くだけでもやもやがなくなっていく。
「好き」って言われると、うれしい。
抱きしめられると、安心する。
このキモチは―――
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