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「な、なんで…?
今さっき…私の後ろに……」
怖い。
何この人たち…。
一体何なの…?
金縛りにあったみたいに身体が動かない。私の言うことを聞いてくれない…。
なんで…?
私が動けないことを知っているのか、彼らはゆっくり私に近付いてきた。
金髪の青年がずかずかと私の前に歩いてくる。
距離が徐々に近付いているのに、金髪の青年は歩を止めない。
ちょ…ちょっとどこまで…近付いてくるの…っ!?
「や…っ、やめ…」
話したら、息がかかるんじゃないかってくらいに距離を詰められた。
これじゃ、抵抗の言葉すら言えない…。
不覚にも顔が熱くなるのを感じる。
こんなに顔を近付けてくるのはアルぐらいだから…知らない人にこうも詰め寄られると……心に反して顔が赤面してしまう。
金髪の人が左手の人差し指を私に近付け、いきなりクイッと顎を上げられた。
金髪の青年の顔が真正面から見える。
綺麗な薄黄金色の瞳が私を見据えてきた。
「…へぇ…、黒髪に双黒の瞳」
「……っ…」
端整な顔立ちに見据えられ、居たたまれなくなり、目を逸らそうとした…けど、身体を動かせなかったんだった…っ。
目を瞑ったら…どうなるか分からないし…。
意を決して、薄黄金色の瞳を睨み返した。
「…ふ~ん、ずいぶん挑発的だな」
「………」
何も話さず、私はただただ彼を睨んだ。
「…その目、やめろ。俺が一番嫌いな目してる」
「……っ…」
イヤだ。言うことなんか聞かない。
「どうやら聞いてくれねェみたいだな。残念」
ニヤリと笑う金髪の青年の人。
「……ぐぅっ……!」
気付けば、彼は私の首を片手で握っていた。
妙な圧迫感が、私を襲う。
苦し……息が…できな…っ…。
この手…っ、はずして…っ!
彼は本気で私を殺そうとしているのが、分かる。
じわじわと苦しめてくるけど、確実に力を込めてきている。
あまりにも苦しくなり、私は彼の片手を両手で掴み、離させようと必死に掴む指先に力を込めた。
ただ…全然力が…入らない…。
もう……ダメなの…?
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