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「……っくっ…はぁっ…!!!」
ナイトメアだか何だか知らないけど、こんなところで知らない人に首絞められて死ぬなんてまっぴら御免。
「…ぁ…っ…は……なっ…してぇ……!」
そう言った途端、金髪の人は、目を見開き…私の首から手を離した。
急に自由になった首は、いきなりの圧迫に堪えきれず、私を襲った。
「…がっ…げほ…っ…!!げほ…はぁ…はぁ…はぁ…」
私は自分の首を両手で掴み、さすった。
その瞬間、私の手首から血がシュパパッと勢いよく出た。
「…ぐ…っ」
手首の痛みよりも、首の方が辛い……。
……苦しかった…。
死ぬかと…思った…。
「リオン、何やってんのよ~。急に、首離しちゃって。驚いて私の糸が切れちゃったじゃない」
茶髪の女性が、口から白い糸を巻き取るのが見えた。
なに…あれ…?
……糸…?
はあはあ…と荒い息を繰り返し、女性を見たけど、目の前が霞んで見えない。
「うるせェ。セイジ、わりぃ。俺、先帰って寝るわ」
「把握した」
金髪の人は、碧色の髪の青年に告げ、すぐに私の目の前から消えていた。
「…ちょっとリオン!……もう!セイジ!」
茶髪の女性が溜め息を吐き、碧色の青年を見た。
「なんだ?」
「なんだじゃないわよ!なんでリオンはすぐ帰っちゃうの!?この子、どうすればいいのよ!?」
茶髪の女性が、碧色の青年に怒って…私を指差してる……。
あれ……?
あれ……なんでか、目の前が……
ぼやけて…見える……。
なんでだろ…身体が…軽くて…フワって……――――。
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