*+。決められないの、私には。+*

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1人。 雨の中、歩いてる小さな私……。 何やってるの? お家に帰らないと…! このままじゃ風邪引いちゃうよ…? 私の呼びかけなんて、小さな私には全く届いてなくて……、私の呼びかけを余所に、彼女は木陰に腰を下ろした。 木陰に座って、大きな木に寄りかかってる小さな私……。 こんな真っ暗なのに、なんで家に帰らないの? みんな、心配してるよ…? というより、今私はどこにいるの? 知らないよ、こんな所。 こんな道。 こんな木。こんな暗闇、私…知らないよ…? それに…… どうして、そんな泥まみれになって、ボロボロの服を着てるの…? お母さんに可愛い服、毎日着せられてたでしょ…? 淡いピンクのワンピース、オレンジのビビッドなカラーのTシャツ、空色のワンピース……カラフルな色ばかり着せられてたよね? なんで、なんで、そんな真っ暗い闇を背負ったようなワンピースなの? なんで、ところどころ…切れてるの? なんで、血が…ついてるの…? なんで、裸足なの…? さっき見ていた貴方は、真っ赤な靴を履いてたよね…? なんで、すべてを無くしたような顔をしてるの…? これは、本当に……私なの…――?  
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