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――アルside――
安らかに眠っているポプリを見て、本当に起きるか不安になった。
もう…このまま目を開けることはないんじゃないか…と思わされるほど、ぐっすり寝ていたから。
「…ポプリ」
名前を呼んで、頬に触れる。
温かくて……ここにポプリがいるんだっていうことを教えてくれる。
でも…まったく起きる気配がない…。
このまま、ずっと目覚めないままだったら…どうしよう。
さっき、あまりにもポプリが戻って来ないから、外に探しに行ってみると、“ナイトメア”とか名乗る奴らがいた。
その近くで、ポプリが倒れているのを見つけ、ナイトメアと話に蹴りをつけ、ポプリを城まで運んだ。
運んだ時のポプリは、閉じた目から涙を流していて、手首や腕にはあちこち切り傷が出来ていて、流血していた。
そして首には、掴まれたであろう痕があった。
全て応急処置はしたけど……ここまでポプリを傷つけたのは許せない。
ナイトメア……か。
確か……どこかで見たような気がする。
……けど、思い出せないや。
基本、ポプリしか思い出さないし。
まあ、とりあえず…このままポプリが一生起きないままだったら、さっきの奴らを殺すか。
しばらくポプリの頬を撫でて、そんなことを考えていると…窓から強い風が入ってきた。
うわ、結構冷たい風。閉めないと、ポプリ…冷たくなっちゃう。
ポプリが寒がると困るから、窓を閉めようと窓際に近付いた。
カチャン…と、窓に錠をかけると、ポプリが動いたような気配が感じられ、後ろを向いた。
やっぱり…起きた…。
さっきまでぐっすり眠っていたポプリは、息を荒くして、目を開いていた。
……良かった。
生きてた………。
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