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「あ、ありがとう…ございます。」
恥ずかしくて、体を隠していた毛布を口まで持って行った。
その私の慌てようを見て、その人はまたクスリと笑う。
「面白い。
今更だけど、名前教えて?」
「…ぽ、ポプリ。」
ボソッと小さく呟く。
「ポプリ?良い名前。」
「ありがと…。
貴方は…?」
私が聞くと、その人は少し考えた後、立ち上がった。
「まだ言わない。」
お礼を言いたかったのに、名前が分からなきゃ言えないじゃない。
「そう…、じゃあ名前分からないけど、助けてくれて…ありがとう。」
自分が裸だということに、羞恥を感じながらも、とりあえずお礼を言った。
お礼を言われた本人は、少し驚いたような表情をし、すぐに嬉しそうに微笑んだ。
「いえいえ。」
「あの…私、そろそろ…。」
そう言いかけた途端、お腹が凄まじい音をたてた。
グキュルルルル…―
お、お腹鳴ったあぁ!!
昨日の夜から何も食べてなかったのか、大雨の飛行に疲れたのか、私のお腹は轟音を出していた。
恥ずかしくて、すぐに顔が赤くなるのを感じた。
ど、どーしよー!!
チラリと男の人を見ると、爆笑していた。
「……っ!」
そんなに笑わなくても…。
「はははっ!!
お腹すいた?」
目に涙を溜めてまで、笑うか!
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