ツンデレ先輩と俺

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真尾は、凄く疑いのある目を俺に向けてくる。 それにしてもやはり人だかりができ、この校門を通るには、一苦労しそうである。 そんなことをただ単に考えながら校門を見ていると、皆に囲まれバツ悪そうな顔でこっちを見つめている刹那姉さんの目線と合う。 少し機嫌の悪そうに見えるその顔の変化は俺にしかわからない程度のものであり、横にいる真尾はもちろん、刹那姉さんの周りにいる生徒達ですらわかっていないだろう。 大は反射的に、頭を下げ一礼をする。 刹那は、大を見ると助かったと言わんばかりに進行方向を変え大達に向かって歩いて来る。 「わっわっ……会長が、こっちに来るっ!」 真尾は、慌てながら鞄の中から鏡を取り出し、身嗜みを整頓する。 「大。ネクタイがズレているぞ?それに、寝癖が付いている。」 そう言って、刹那は大のネクタイを慣れた手つきで結び直す。 刹那の優しい香りが大を包み込みそれが大にとっては、心地良かった。 それから、鞄から取り出した櫛で大の寝癖を梳いた。 「ありがとうございます。会長」 「ふふ……素直で良いな」 刹那は大にしか聞こえない声でそう言い、大の頭を撫でる。 頭を撫でられる事が何よりも好きな大にとっては嬉しかったが周りの視線を気にすると複雑な気分であった。
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