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周りの目が痛い。特に横からの死線が痛い。そこまで、睨むんなら普通に話し掛ければ良いのに。
「後で、生徒会室に来い。良いな?」
耳元で囁く様に言われる。
「解りました。刹那姉さん」
二人の会話は、誰にも聞き取れない程、小さな声だった。
「うん?君は、確か―…葵真尾だな。2-C……フム……大と同じクラスか……」
「よよよよ……良くご存知で」
真尾は、刹那姉さんが名前を知っていた事に驚き、呂律が回っていない。
「この学校の名簿は飽きるほど毎日見ているからな。名前と顔は一致している」
「さすがです!会長!」
「あぁ。ありがとう……。これからも大とは仲良くしてやってくれ。では、失礼するよ?」
刹那は、二人の顔を見て学校に入って行った。勿論取り巻きの様になっている集団を連れながら。
「で……。大~なんで会長とあんなにも親しいのかな~?しかも、なんで私には言わないのかな~?私が会長の事が好きって知ってるよね~?」
妙に迫って来る真尾の顔は、少し怖い。
大は言葉をはぐらかし、逃げるように学校に入って行った。
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