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ネオン灯の光や人々の話し声が賑やかに繁華街を照らし出している。
そんな中、季節外れの黒いコートを身につけブルーベリージュースを飲みながら前を歩いている若い二人組を見つめながら後をつけている少年がいた。
視線の先には、ホストらしき背がスラッとしている金髪の男性が若い女性をナンパしてどこかに連れていこうとしていた。
少年はそれを見ながら飲み干したブルーベリージュースのパックを握り潰しごみ箱に投げ捨てる。
ホストと若い女性は人気の無い路地の奥にどんどん歩いていく。
「ここなら―……」
そうホストが細い声で言うと、不気味な音と共に姿を大蛇に変える。
確かに女性の横にいた男性だった“それ”は尋常なる者では無かった。
女性は腰を抜かしてしまい口をパクパクと金魚の様にして声もでてない。
『フハハは……久々の餌ダ!!』
大蛇となった“それ”は女性に躊躇無く、鋭い歯で襲い掛かった。
その時、まるで見計らっていた様に乾いた銃声が路地に響き大蛇と女性の間に銃弾が通りすぎ、奥におかれたドラム缶に風穴が開く。
『誰だ!?』
その大蛇は、その巨大な体を銃声の方に向けるとそこには、黒いコートを着て笑いながら立っている少年の姿があった。
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